バイオリンを始めた40代女のハナシ

須々木ユミ、バイオリンを始めちゃいました!

リペア工房に行ってきました!

バイオリンのリペア工房に早速行ってきました!

というわけで、まずは調整、修理です。

そして行ってきました!

バイオリンのリペア工房へ。

 

古いケースに入ったバイオリンを手に電車に乗る私。

なんだか「楽器やってる人」みたい、私・・・。なんて思いながらちょっとニンマリ。アホですね。

とにかく早く「弾ける状態」「キレイな状態」にこの子を戻してあげたいという一心で、届いたその日にリペア工房に予約を入れ、幸い、午後に予約が取れたのです。

 

店に着きました!

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なんとなく緊張。

すると優しそうなお姉さんが私の対応をしてくれました。

 

丹念に楽器を診る職人のお姉さん。

楽器をこんこんと指の関節で叩いてみたり、バイオリンの中を覗き込んでみたり、ペグを回してみたり、この子が今どんな状態にあるのかを調べます。

 

ちょっとハラハラしながら待つ私。

そしてようやく、この子の状態を聞くことになりました。

 ドキドキの修繕内容とは・・・

その内容は・・・

まず、一番の問題はペグの部分、とのこと。

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この子のペグの穴は大きくなってしまっていて、このままだと弦の調整がうまくいかないというのです。しかも、今のペグの規格と昔の規格は違っていて、この子のペグの太さは現在のペグの太さより太いとのこと。(多分!?そんなことを言っていたような)

しかもこの子のペグは長さも短く、お姉さんが出してきた「今使われているペグ」見本と比べるとその差は歴然。太短いこの子のペグ、そして長くて細見のスマートな今のペグ。わ~、こんなことが楽器にはあるんだ!と何も知らなかった私は驚きを隠せず・・・。

ということでペグの交換と、穴の修繕が決定しました。この「穴」の修繕に、結構なお金がかかることに。

続いては、魂柱。

バイオリンの中を覗き込むと、小さな柱がその表面と裏を支えるように立っています。それを魂柱と呼ぶらしいのですが、それが少し傾いているとのこと。これを直すということでした。

そして・・・駒。

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少し傾いているそうです。&駒を支える部分の端っこが欠けているので、交換することになりました。(多分そう言っていたと思います~)

表面のクリーニング、小傷の修復。

これはもう絶対お願いします!という感じです。この子をもう一度キレイにしてあげたいです♪

弓に関しては、

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毛替えとチップ(弓の端っこの白い部分)の交換を勧められました。もともと毛替えは当然しなきゃだろうな、と思っていて、なんなら弓は本体ごと買い換えてもいいかなと思っていたのですが、弓の本体自体は状態も良く、材料の点でもいい木を使っているとのこと!ならば、と毛替え&チップの交換をお願いしました。

 そして弦!

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これはもう絶対交換です。もともと私もそう思っていましたし、もう暗黙の了解というか、当然、といった流れで交換が決定しました。メーカーはVISIONです。

 

・・・ということで、やはり古い楽器だけあって、さまざまな問題を抱えていたこの子。お姉さんがその修復代の合計を見積もっている間、

「でもこれは想定内。オークションで買う、ということは、そういうリスクがあるものだし、調整していないということを承知で買ったんだし、なによりこの子は私と同じ年であるという付加価値がちゃんとついているのだし、これでいいのだ!」と自分をはげましていたのですが・・・

修繕内容、その結果は・・・!

いよいよ見積もりの段となり、提示されたのは・・・

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約83,000円という額!!

あら~!なかなかのものだわ~

つい「そんなにかかっちゃいますか!」と情けない驚きを口にしてしまった私。

この額だと、まあまあの初心者用のバイオリンがケースやらなにやらとセットで買えちゃうぞ、とつい思ってしまい・・・

 

すると、

「この額をだせばこちらが購入できてしまいますね、正直」、

とお姉さんも新品のバイオリン初心者セットのカタログを私に見せます。

それがこちら↓

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それはイーストマンのSVL80、62,590円という商品。ケースも弓も松脂も肩当てもコミコミでこれなのです。

さらにもっと安い商品もありました。

それはニコロ・サンティNSN60Sという商品で、あの葉加瀬太郎が楽器店で手にし、初心者の仲間に購入を勧めたという、プロお墨付きのセット。

価格は43,780円です。

こちらがその動画です!

 修繕か、新規購入か・・・!

こうなると、さすがにこちらもクラクラとめまいがしてきて、

「わ~どうしよう、これ買ったほうが安いじゃん」

と、"この子を直して使うぞ!"という初心がグラグラと揺らいできます。

 

「どうなさいますか」

と優しく聞くお姉さんに、しばらく

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「ん~そうですね、そうですよね、あ~どうしよう」

と、見せてもらったニコロ・サンティ君を手に、頭の中を整理しようと必死な私。

「ごめんなさい、迷っちゃって」

という私に、

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「いいんですよ、そうですよね・・・」

と優しいお姉さん。

私はニコロ君とこの子を並べてみたり、二つの楽器をそれぞれ手に取ってみたりしながらお姉さんに聞いてみました。

「この子は高いお金を出して修繕して使う価値がありますか?なんていうか、すぐに買い替える必要のない、しばらく使っていける楽器ですか?」

すると、

「そうですね、鈴木のバイオリンですし、確かに量産型ですが、きちんと修繕すれば、長く使っていける楽器ですよ!」

とお姉さん。

そうか、そうだよね!

加えてニコロ君のテールピースの部分にはプラスティックが使われいるのに対し、この子のテールピースにはちゃんと木が使われています。

あご当ての模様も縞が入っていてキレイだし、ニスの具合や色もキレイだし、やはりこの子の良さ、というものがあります。 

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それにだいたい、この年でバイオリンという楽器をはじめるということ自体が損得を考えていたらできない行為ではないか、この期に及んでまた「損得」で行動してどうする。きっとこっちは高いからダメで、こっちは安いからOKっていう話ではないんだ、今回に限っては・・・という思いがひらめきのように私の頭に浮かび、ついに

「この子を修繕、でお願いします!」

とお姉さんに告げることができました。

この子と出会ったのは何かの縁。そしてこの子は私が直して弾いてあげないでどうする、私は運命を感じてこの子を手に入れたんだ!という気持ちがまるで心地よい決意のように私の中で膨らんでいったのです。

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というわけで、リペア工房に入院が決定し、1か月後まで、この子とはしばしのお別れとなりました。

しばらくさよなら、私のバイオリン。

キレイになって帰ってきてね!